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「事業承継・引継ぎ」 事例紹介

〈事例32〉海峡を越えるバトン|第三者承継の事例紹介

海峡を越えるバトン
センターと下関市が伴走した第三者承継

山口県下関市で障害福祉サービスを提供してきた「合同会社 煌」。
今回、人材の確保や3年毎の報酬改定などの影響があるなか、事業の継続を模索し、空手の師匠である永島代表への事業承継を決断。

転機 報酬改定により継続の危機に

譲渡者 田口 直樹さん

譲渡者 田口 直樹さん

 関門海峡を挟んで九州と向き合う、歴史と海の幸に恵まれた下関市に「合同会社 煌」はある。同社は就労支援事業を行っており利用者の就労を通して地域に貢献してきた。しかし、人材の確保や3年毎の報酬改定などの影響も受け経営状況が切迫。当時、代表の父から事業を任されていた田口所長は事業の継続を第一に考え、メインバンクを通じて山口県事業承継・引継ぎ支援センター(以下センター)へ連絡した。

支援 的確なサポートと決断力

 連絡を受けたセンターの後藤さんは、翌日に訪問した。既に候補の存在も聞いていたので、承継に関してのアドバイスを行う傍ら、下関市が月に2回開いている相談会への参加の段取りを進めた。センターと下関市が連携しながら今回の事業承継を支援する体制ができあがった。
 福岡県で事業を展開している永島代表(新・代表)は、空手の指導者である弟に田口所長が「煌の売却を考えている」ことを聞き、「A型事業所に興味を持つ知人を紹介しましょうか?」と田口所長へ提案した。田口所長とは空手道場での師弟関係で、人柄に惹かれるものがあり、「何かお手伝いしたいな」と思っていた。田口所長の説明と資料に目を通し「自分でもできるのではないか?」と思い直した。
 そこからは早かった。自身でも報酬の違いや行政の施策などを調べ、未経験への不安はあったが、「田口所長と一緒ならやっていける」と考え、自身で承継する事に決めた。決断に要した時間はわずか2日。迷いはなかった。
 県を跨いだ譲渡となった今回の事例。それはセンターの積極的で的確なサポートと下関市の協力もあり、海峡の荒波を越えての事業承 継となった。田口所長は継承前と変わらず事業所で利用者の支援や職員らの育成に努めている。

積極的なアドバイスと細かい配慮

支援 最後は地域愛と人のつながり

 「ものすごく積極的にいろんなアドバイスをいただいたり、僕たちが気付かないところまでご配慮いただき、すごく感謝しています。」と、永島代表。
 今回の承継は「福祉のサービスであり、利用者さんがいらっしゃるというところで、責任重大に感じています。これからさらに発展させて、利用者さんにも喜んでもらえるサービスを作りたいと考えています。」と想いを語る。
 事業というのは売上だけではない。地域や人々の為に無くてはならない事業があり、全力で守りたい人達がいて、サポートしたい人達がいる。時には複雑なシステムなどの困難に直面もするが、存続を希望する人達の想いのバトンは煌く波の海峡を越え、確かに手渡された。

成功のポイント

山口県事業承継・引継ぎ支援センターサブマネージャー 後藤 正典 さん

山口県事業承継・引継ぎ支援センターサブマネージャー
後藤 正典 さん

しっかりとした決断、意思を確認した上で交渉を進められたところが成功の一番大きな要因

数社の候補企業がある中での相談でしたが、譲渡側事業者に基本的な第三者承継プロセスや企業価値等の考え方について何度となくお伝えし、十分に理解をしたうえでの決断と、譲渡側事業者が承継後の事業計画等の具体的な将来像を譲受側事業者に示しての交渉が、早期の決断に至った一番の要因と考えます。

山口県事業承継・引継ぎ支援センターの支援概要と事業承継の流れ

合同会社 煌

合同会社 煌

  • 所在地:山口県下関市長門町10-1 長門プラザ2F
  • 創 業:2015(平成27)年
  • 事業内容:就労継続支援A型/就労移行支援

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