〈事例31〉カフェテラス峠の事業承継|第三者承継の事例紹介
カフェテラス峠の事業承継
地域の宝をつなぐ、54年目の約束
“町の宝”として53年間地元に愛し愛され続ける喫茶店。高齢化と体調不良により、同じく地元で事業を営み、地元愛あふれる新オーナーへの第三者承継を行った。
転機 店が、開けられない
譲渡者 氏家 豊昭さん
町内の憩いの場として、時にはお見合いの場として、53年前から半世紀以上地元に愛され続けてきた「カフェテラス峠」。地域の宝とも言われる店舗が突如時間を止めた。
氏家さん夫妻(前オーナー)が同時に体調を崩してしまい、お店を開けられなくなってしまった。たくさんの心配や励ましの連絡をもらい、「これはもう閉めるわけにはいかない」と感じ、店を残す為に動き始めた。
不安 探し方がわからない
元々承継する気持ちはあったが、動くにしてもどうしたら良いのかわからなかった。ある時、商工会のパンフレットの香川県事業承継・引継ぎ支援センター(以下、センター)の案内が目に留まった。「無料だし、話だけでも聞いてみようかな」と軽い気持ちで面談へ進んだ。
支援 最後は地域愛と人のつながり
相談を受けたセンターでは全国の登録者からの応募も受け付けるなどあらゆる手段も取ったが、紹介に至っていなかった。そんな折、氏家さんの方から逆紹介があり、それが多田社長(新オーナー)だった。案件を引き継いだセンターの組橋さんと松本さんは多田社長がセンターに登録していなかった為、一堂に会する機会を設け、お互いの印象が良ければその後の支援に繋げていく事にした。
多田社長は地元出身で地元で事業を行っていた。最初に話を聞いた時は「親に連れられて高松に行く時はこのお店の前を通っていた。あるのが当たり前の景色で、それを無くすのは絶対嫌だった。」と当時を振り返る。実は、多田社長は氏家さんの息子さんを介した知り合いであった。最後に実を結んだのは地域への愛と人の繋がりであった。
そこにあり続ける地域との約束
地域で事業を展開してきた多田社長だが、M&Aに関しての知識は無く、センターの松本さんから承継のイロハから教えてもらった。数字、契約内容の詳細で合意を形成することも大事だが、そのベースには、人と人との信頼関係、深いコミュニケーションの積み重ねがあるのだと知ることができた。
事業承継後、「53年間、この地域の人達の大切な居場所でこの地域をずっと見守ってきたのがこの峠というお店。また50年繋いでいけたら・・・」と多田社長は語る。積み重ねてきた時間を、これからも地域の宝として残していくその覚悟こそが、この店の「54年目の約束」である。
成功のポイント
香川県事業承継・引継ぎ支援センター承継コーディネーター
組橋 映亮 さん
この大事な場所は残さないといかんという両方の意向が承継につながった。
地域住民の憩いの場として長く愛されてきたカフェテラス峠を残したい気持ちを前 経営者、後 継者共に持っておりセンターが両社の意向・気持ちを大切に、考えに沿った仲介・調整ができたことが承継成約のポイントです。

カフェテラス峠
- 所在地:香川県仲多度郡まんのう町羽間2951
- 創 業:1971(昭和46)年
- 事業内容:飲食業