〈事例27〉株式会社金指|親族内承継の事例紹介
“ありがとう”と“よろしく”のあいだ —
地域とともに未来へ繋いだ、親族内承継と支援の記録
河津町の特産品である「わさび」の生産を行う。
息子の正和さんへ事業を承継するにあたり、事業拡大も視野に入れて法人化も行った。
転機 夫婦が描くわさび農家の新章
現経営者(後継者) 金指 正和 さん
正和さん夫婦はわさびの生産量増加および価格上昇を機に、予てより考えていた事業承継と法人化の検討を開始。商工会担当者に相談したところ、静岡県事業承継・引継ぎ支援センター(以下センターという)の相談会を紹介された。正美さんにも話をしたうえで事業承継に向けて本格的に動き出した。
支援 難題も各機関の連携で解決
商工会の杉井さんは正和さんと中学生時代からの知り合いで、予てより確定申告の相談などを受けていた。事業承継については事前に相談を受ける準備を進めていたので「そろそろかな」と、驚きはなかった。法人化も視野に入れつつ、センターと連携して支援を進めた。相談を受けたセンターの仲原さんは、節税だけでなく、事業の拡大・発展を見据えたビジョンがあることからも、法人化が中長期的に有効な選択肢であると考えた。一方で、事業の主体が農業であることを踏まえ、税務や制度面での誤解が生じないよう、早い段階で税理士とつなぎ、法人化に伴う具体的なメリット・デメリットを丁寧に説明した。
さらに法人設立の方向性が定まってからは、通常の法人と農業法人のどちらが事業に適しているかを判断するため、外部の専門家による相談会も実施し、丁寧な情報提供を心掛けた。商工会の経営指導員と深い信頼関係を築きながら、第三者の力もうまく借りることで、スムーズな承継に繋がった。また、事業承継計画の策定も支援し、事業承継の時期や承継時の事業形態(個人、法人)、承継に向けて誰がいつ何を行うのかを「見える化」できたことで承継への道筋がはっきりしたことも推進力になった。
相談できる誰かがいること
わさびはゆっくり育つ。事業承継と同時に法人化も行った。正和さんは今後について、「雇用面など視野を広げていきたいと思います。やはり若い人たちの手本になれるように。子供たちが継いでくれたら嬉しいですが、まずは背中を見せる事からだと思っています」。ゆっくりと少しずつわさび沢も次の世代も育っていくだろう。
単なる個人間の事業承継にとどまらず「法人成り」という一歩踏み込んだ形での承継でした。手続きや運営面でのハードルを乗り越えて事業承継を実現させた正和さんご夫婦には、今回の経験を活かして事業を拡大していっていただきたいと思います。
成功のポイント
静岡県事業承継・引継ぎ支援センターエリアコーディネーター仲原 真澄 さん
単なるバトンタッチではなく、「未来に向けた新たなスタート」として大きな意義のあるものだったと感じています。
単なる個人間の事業承継にとどまらず「法人成り」という一歩踏み込んだ形での承継でした。手続きや運営面でのハードルを乗り越えて事業承継を実現させた正和さんご夫婦には、今回の経験を活かして事業を拡大していっていただきたいと思います。
静岡県事業承継・引継ぎ支援センターによる事業承継事例

株式会社金指
- 所在地:静岡県賀茂郡河津町湯ケ野103
- 創 業:1971年、設立:2024年
- 事業内容:わさびの生産