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センターが“世界一仲の良い親子”の
事業承継をサポート
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事業継続を断念した物産館を引き継ぎ再生。
親子間の円滑なコミュニケーションで事業承継もスムーズに。経営塾や支援者の力を借りながら後継者として経営力向上に努める。
地元密着型の物産館
運営する武雄観光物産の設立は1998(平成10)年。物産館はそれまで地元の観光協会が運営していたのだが、経営が厳しくなり継続を断念。当時、物産館への納入業者でもあった大渡利彦さんが経営を引き継いだ。「バブル経済が崩壊した後でもあり、経営はかなり厳しかったですね」と利彦さん。再生のために取り組んだのが「地域密着」だ。「観光バスのお客さまだけでは成り立たない。地元のものを扱って地元の人たちにも来てもらうにはどうするか、ずっと試行錯誤してきました」(利彦さん)。
互いに事業承継を意識
入社後、利勝さんはイベントの企画や新商品の開発などにも率先して取り組んでいる。「これから時代に合わせて新しいことに積極的にチャレンジしていかないと」という利彦さんの考えと方向性は同じだ。「父とは一緒に市場に行く車の中で、そういう話を結構してますね」(利勝さん)。
【転機】よろず支援拠点に相談
父に追いつけ追い越せ
後継者経営塾で学んだり事業承継計画を作る中で、気づけたことや理解したことも少なくないと利勝さんは言う。「特に経理や財務など、お金に関しては勉強不足を感じました。父はそのあたりの経験が豊富なので、今はまだ追いつけ追い越せですね」(利勝さん)。
【支援】金融機関同席の意味
世界一仲の良い親子が目指す未来
計画書作成には中小企業診断士も加わり完成、経営者保証も解除できた。2025年に予定している株式譲渡で事業承継は完了する。「私はいつでも変わるよ、と言っているんですが」という利彦さんに対し、「まだ自分は力不足。早く実績を作って交代して、父にはラクしてもらいたいと思っています」と利勝さん。
利彦さんは「現状維持では時代に取り残されてしまう。新しい方法や技術をどんどん取り入れていろいろなことにトライしてほしいですね」と利勝さんに期待を寄せる。「父と共通するのは地元密着。今後は新しいことにもどんどんチャレンジして、“武雄といえば物産館”という存在にしていきたいですね」(利勝さん)。利彦さんは利勝さんとの関係を「世界一仲の良い親子」と笑う。事業承継で課題になりがちな親子間の対話不足だが、ここではそうした懸念とはまったく無縁のようだ。
成功のポイント
親子間の事業承継では、計画書を作り始めて親の考えを初めて聞いた、この思いを初めて知ったということがよくあります。親子間で対話がないのでしょうね。その点で今回はそうした心配が全くありませんでした。それぞれが今のこと、将来のことを考えて話し合っている。事業承継だけでなく将来の成長のためには、そうした関係性はとても重要です(江越さん)。
佐賀県事業承継・引継ぎ支援センターによる事業承継事
事業承継フロー
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1後継者が父の経営する会社に入社
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2後継者がよろず支援拠点に経営相談
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3後継者が後継者経営塾を受講
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4センターの承継コーディネーターから事業承継計画作成を勧められる
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5金融機関や専門家も同席して事業承継計画を策定
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6株式譲渡による事業承継が完了
企業情報

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