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「受動的な保証業務」からの脱却。
事業承継支援を通じ伴走型組織へ変革

三重県信用保証協会
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  • 信用保証協会

「専門家のノウハウを吸収することで相談してもらえる信頼関係が築ける」 三重県信用保証協会は保証協会法改正をきっかけに、事業承継を含む経営支援業務も手掛けることになりましたが、事業者からは敷居が高く見えたようです。この状況を変えたのが事業承継個別相談会の開催です。

三ツ矢 篤氏
三ツ矢 篤氏
三重県信用保証協会 経営支援部

事業承継の課題に「中立」の立場で

三重県は全国的に後継者不在率が低い水準にありつつも、経営者の高齢化は確実に進んでいます。元来、保証協会の主要業務は信用保証であり、職員の知識不足や支援に対する心理的ハードルもあって、事業承継の相談は年1~2件にとどまっていました。しかし平成30年の法改正で経営支援が明確化されたことを機に経営支援業務を開始。金融機関や商工団体とは異なる、公的で中立・客観的な立場こそが「事業者に寄り添い、センシティブな相談を受け止める強みになる」と捉え直し、主体的なアプローチへと転換しました。

相談会を入り口に承継計画策定も支援

そんな中で、三重県信用保証協会が中小機構など外部機関と連携してスタートさせたのが、事業承継個別相談会や事業承継計画の策定支援です。相談会ではより実のある相談ができるよう、職員が事前ヒアリングを行って最適な専門家と連携。さらに、中小機構アドバイザーによる研修や実践的な OJTを通じてヒアリングノウハウを蓄積し、現在では職員が自力で承継計画を策定できるまでに成長しています。

フォロー体制の拡充が課題

今後は策定した計画のモニタリングや、アフターフォローの強化が課題です。単に事業承継計画書を作るだけでなく、個々の事業者に寄り添い、M&Aや廃業なども含めた多様な悩みに対応していく必要があります。地域内の金融機関や他機関との連携を軸に、事業者から真っ先に相談される信頼関係を深め、地域経済の継続と発展を支えるハブを目指します。

三重県信用保証協会の事業承継支援

三重県信用保証協会の事業承継支援の図。中小機構中部本部が研修・同行で協会を支援し、中小企業アドバイザーが相談員として対応。協会の経営支援部が事業承継個別相談会を主催し、事業承継・引継ぎ支援センターと顧問弁護士などの専門家も相談員として対応する。有限会社クリーニングのニイミが相談会に参加し、事業承継計画の策定支援を受けた。

【事業者の声】
事業承継への伴走支援で自社の強みを再発見

信用保証協会というと敷居が高いイメージがありますが、対応は非常に丁寧でフレンドリーです。お金の流れの整理だけでなく新規営業の指導など経営面の伴走支援もありがたいですね。事業承継計画の策定をサポートしてもらったことで、自社の強みの再発見にもつながりました。

新美 明大氏
新美 明大氏
有限会社クリーニングのニイミ 経営者
竹下 友紀氏
竹下 友紀氏
有限会社クリーニングのニイミ 後継者

【Before】
信用保証という主業務の枠にとらわれ、積極的な経営支援に踏み出せない。

①組織として経営支援を自発的・積極的に行う意識が希薄
②事業者側からも敷居が高く、事業承継に関する相談は年に1~2件
③事業承継問題が顕在化しても対策の働きかけを行う仕組みがない
④非常にデリケートな問題を扱う経験やノウハウが不足

中小機構との会議の様子
中小機構との会議の様子

【Support】
より有意義な相談会のために事前ヒアリングを重視

中小機構との連携により、県内で場所を変えて事業承継個別相談会を複数回開催しています。限られた相談時間を有意義にするため、事前に職員が詳細な悩みをヒアリングし、当日は適切な専門家を同席させる体制を構築。さらに相談会1カ月後を目安にアフターフォローを実施し、必要に応じて事業承継計画の策定を支援しています。

相談会の流れ。1 事業承継個別相談会の参加事業者募集、2 相談会参加希望者に事前ヒアリング、3 相談会にて専門家に相談、4 相談会のアフターフォロー、5 必要に応じて継続的に事業承継支援。

【After】
職員のスキルや意識が向上することで本業へのプラス効果も

中小機構のアドバイザーによる研修や同行訪問を通じて職員のスキルが向上し、中堅職員では単独で事業承継計画を作成できるレベルに達しました。かつては融資審査の書類確認にとどまっていた業務姿勢が、経営者の思いや企業課題に直接寄り添う形へ転換。より強い信頼関係が生まれ、本業の審査や経営相談の質向上という相乗効果も生んでいます。

1. 職員の変化

書類に頼る審査から、現場に直接足を運び経営者の思いや後継者の意欲まで触れ、深く理解し状況を把握する姿勢へ変化した。

2. 組織の変化

「事業承継支援=重要業務」という認識が定着し、現在では保証申込み時に年齢や後継者の有無を意識するように。

3. 事業者支援の変化

デリケートな承継問題に関わることで強固な信頼関係が築かれ、保証業務においても事業者理解や円滑な経営相談につながっている。

成果・波及効果

・研修や実践を通じた職員のスキル向上と意識変化
・協会の持つ中立性と伴走支援による相談の掘り起こし
・事業者の懐に入ることによる信頼関係の強化が本業にも好影響
・地域密着の連携による地元経済が衰退することを抑制

他機関でも参考にできる3つのポイント

①他の支援機関と連携を図る

相談会の告知や誘導のほか他の機関からのトスアップも

②相談会では事前ヒアリングが重要

相談者を深く理解することはより強い関係構築につながる

③相談会後のフォローアップ

相談対応して終わりではなく、継続的な寄り添いが不可欠

企業情報

三重県信用保証協会
所在地:三重県津市桜橋3丁目399番地
創業:1949(昭和24)年
事業内容:信用保証
URL:https://www.cgc-mie.or.jp/
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