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技術と文化を次の世代へ
資本提携で繋がった地域振興の想い
- 第三者承継支援
- 四国地方
- 製造業
事業開始後から順調に売り上げを伸ばすも、ひとりでの事業推進に限界を感じ、営業活動の拡大のため、事業内容を分担してもらいたい。
伝統製法で作られる阿波晩茶を知ってもらいたい
2012年、井川代表は、このお茶を量産化する為に事業を開始した。製造から販売、販路拡大営業、設備調達まで、時折知人に手伝いを頼みながらも実質ひとりで努め、2016年に法人化。現在は茶葉やペットボトル飲料、ティーパック商品を県内の道の駅やスーパーマーケット、ネット販売等で販売している。
順調に業績を伸ばす半面、資金と人手が必要に
井川さんは、家業で阿波晩茶を作っていたわけではない。食品メーカーで働いていた際に研修でたまたま阿波晩茶と出会った。飲んだことはあったが、研修で製法などを知るうちに魅了されていき「この伝統製法のお茶を絶やしてはいけない。自分の経験を活かして広められないか。」と考え、事業を始めた。
まずはその伝統製法の量産化と機械化を行ったが、元々全てが手作業であり、製造ライン化の前例はほとんど無い。現在も改良を重ねており、工程を工夫したり必要な設備を調達したりして、最近になってやっと目途がついた。その甲斐もあって販売数も順調に増えているが、その反面で増える需要に対して製品を販売する為の営業や経理事務、作業の整理やその為の人の手配など製造以外の事も増え、今後の事を考えるとどうしても事業拡大を行うために資金と人が必要だった。想いに共感して事業内容を分担できる人を探し始める事にした。
地場産業を意識したM&A
八木建設は土木・舗装工事およびアスファルト合材製造から販売までを一貫して行っている。また地域とのパートナーシップを築きながら、地域のニーズや期待に応えながら共に成長し続けることを心がけている。八木代表は事業多角化のため、M&Aに取り組もうと阿南信用金庫に相談した際に、徳島県事業承継・引継ぎ支援センター(以下センター)を紹介された。M&Aをするにあたり、なんらかの形で地域に貢献したいとも考えていた。センターから紹介されたうちの一社がいかわ発酵だった。阿波晩茶は地元を代表する特産品のひとつでもあり、非常に興味をそそられた。調べてみると奥が深い。世界的にも稀少な「乳酸発酵」のお茶でありながら、生産者が高齢化しており毎年作り手が減少している。やり方によって地域の雇用にも貢献できる可能性がある。井川さんと面談し、一緒にやることで意気投合した。そして、井川さんが製造、八木さんが企画と営業を担当する役割分担を決め、話を進めた。
資本提携という形での事業承継支援
井川さんがセンターに相談したのは4年ほど前。センターは通常後継者探しをメインに事業承継を支援するが、今回はバックアップしてもらえる企業の紹介、という珍しいパターンだった。最初の相談からしばらく経った頃、阿南信用金庫で八木さんと面談した。非常に興味を持ってくれているが、八木さんの本業は建設業である。阿波晩茶の製造とは全く業種が異なる。この違いをいかに埋めるかが課題になるとセンターの伊藤さんは思った。話し合いの中で相互理解がすすめばと考え、接点を増やしていくことに気を配った。しかし、八木さんの決断が早く、とんとん拍子に話はすすみ、M&Aの実務を行う、八木建設の顧問税理士さんへスムーズにつなぐことができた。
「事業承継も資本提携も、早く、幅広く専門家に相談するのが大事。廃業する方はたくさんいるが、廃業せずに後継者を見つけることをもっと意識してほしい。後継者や譲渡先が見つかれば時間はかかっても活路は見出せるはず」と伊藤さんは語る。
業務が円滑に回るようになった
業務分担ができたので、業務が円滑に回るようになり、設備の稼働が安定した。今後設備をアップデートすることも検討している。これからも、より品質を高めて、様々な商品を作っていきたい。
承継を考えている方は、まずセンターに相談した方がいい。親身になって対応してくれるので、包み隠さず本音で相談してみると良いと思う。(井川さん)
徳島県事業承継・引継ぎ支援センターによる事業承継事例
事業承継フロー
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1いかわ発酵の事業拡大に伴い、資金と人手が必要になり、センターへ相談
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2約3年半、数件面談までこぎつけるも調印まで結びつかず
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3八木建設は多角化を目的としたM&Aを模索し信用金庫へ相談
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4信用金庫で面談し、センターへ相談
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5センター内でマッチング
提携に向けて準備を開始
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6第三者割当増資を実施し、資本提携
企業情報
創業:2012(平成24)年
従業員数:2名
事業内容:阿波晩茶の製造販売
